
日本の伝統美
宝生能楽堂に集う。
日本画・大和絵 伊東正次
能楽宝生流 辰巳大二郎
尺八 安島瑶山
箏 阪元沙有里
演目 能 「高砂」 「羽衣」
曲目 「みだれ」 「春の海」他
12月20日(月) 18:00開場 18:30開演
宝生能楽堂(水道橋)
観覧料 10,000円 税込 (全席自由)
未就学児のご入場はご遠慮いただいております

概要
日本には古来から培われた豊な文化芸術の伝統があります。それらは、現在、それぞれのジャンルの中だけで生き残っています。江戸以前には「床の間」は総合芸術の場でした。掛け軸を見て、生花を生け、お茶を飲み、三味線を楽しむ。今、美術は美術館へ、音楽はコンサートホールへ、生花は生花と別々に分けられてしまいました。それらをもう一度、総合的に楽しむ。五感を通して感じる体験
の場へと返したいと思っています。
この度は、伊東正次の大和絵の前で辰巳大二郎の能楽、安島瑶山の尺八、阪元沙有理の和楽器の演奏をお楽しみください。
ごあいさつ
昨今、グルーバル化に伴うAIによるシステムの構築や管理が凄いスピードで進んでいます。そんな中、人々の心や魂はどこへ向かうのでしょうか。生と死の領域が曖昧となったデジタルなバーチャル空間で人は生きてゆくことができるのでしょうか。そうした、均一化したグルーバル社会に埋没して、平準化され、バーチャル的な意味で安定した心を描くこともできます。本当に人々の心はそれに慣らされてゆくことが可能なのでしょうか。人間の奥底に潜む魂の叫びが聞こえてきませんか。
心や魂の問題に何らかの提言や示唆を与える、あるいは、魂の救済を図る最良の手立てを持つのが「芸術」です。芸術は様々な心模様を生の形で扱いつつ、魂をある世界へと誘います。私たちの心や魂を取り扱う「芸術」は何によって、賦活され活性されるのでしょうか。それは、一人一人が「己の魂と向き合う」ことです。心や魂と向き合う時間と場を与えてくれるのが「能」なのです。
また、グローバル化は別の問題の一因ともなっています。それは環境破壊です。人間社会は自然を破壊し、管理してきました。それと違う生き方を提案してくれるのが日本の伝統文化です。それは、「自然との共生」から生み出されてきた文化なのです。四季折々、春は桜を愛で、夏には川遊びに興じ、秋には紅葉を楽しみ、冬は雪景色を良とする。自然とともに生きる。決して、人間中心にならず、人間と自然が対決するのではなく、「共に生きる。」それが、日本画や日本の伝統音楽の根底にある思想なのです。
この三者の伝統芸術がこの度、能楽堂で合い目見えます。三者が対決するのではなく、融合しながら新しい精神性世界を現出させることができるのか。私自身が表現者の一人として、ワクワク楽しみにしています。どうぞ皆様もお出かけの上、お楽しみいただきましたら幸いです。
主催 一般社団法人 ARTJAPAN和SOCIETY
協力 宝生能楽堂 クライス音楽事務所 一般社団法人samurai.jp

お問い合わせ
一般社団法人ARTJAPAN和SOCIETY
担当 長尾まこ 090-6933-5838 mako.iostar@ezweb.ne.jp
< 出演者 >
大和絵・日本画家 伊東正次
尺八 安島瑶山
箏 阪元沙有理
能楽 「高砂」
住吉明神 辰巳大二郎
地謡 和久荘太郎、 田崎甫、
石黒空、 石塚尚寿
能楽 「羽衣」
天女 辰巳大二郎
笛 栗林祐輔
小鼓 曽和伊喜夫
大鼓 亀井洋佑
< スタッフ >
演出 伊東正次
音楽監修 白井優次
企画 ・ 映像 横野勝